「ここで決めないと相手がいない」と言われました。本当ですか?

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  • 公開日2026年10月13日
「ここで決めないと相手がいない」と言われました。本当ですか?
短い答え野﨑が答えます

本当にそうである場合もあります。ただ、その一言だけで決めず、根拠を確かめてから判断してください。実際に、別の進め方で買い手を探し直したところ、複数の会社から手が挙がったケースもあります。

  • 基本合意を結ぶと、一定期間はその相手とだけ交渉することになる
  • 「何社に、どう声をかけたのか」「なぜ今なのか」を聞く
  • 迷ったら、取引に利害のない第三者の意見を一度聞く

なぜ「ここで決めないと」と言われるのか

アドバイザーがこう言うとき、経験から本当にそう考えていることもあります。業種や時期によっては、買い手が限られるのも事実です。

一方で、アドバイザーの側にも事情があります。仲介会社やFAの多くは、成約して初めて報酬が入る仕組みです。決算期が近い、何度も取引している買い手がいる、といった事情が重なると、その相手で早くまとめたい力が働くこともあります。どちらなのかは、言葉だけでは分かりません。だからこそ、根拠を確かめることが大切です。

特に注意したいのが、基本合意の前後です。基本合意を結ぶと、一定期間はその買い手とだけ交渉する約束(独占交渉権)を与えるのが一般的です。ほかの候補と比べられなくなるため、結ぶ前に、相手が本当にその1社でいいのかを確かめておきたいところです。

野﨑繁裕
野﨑の視点M&Aスタジオ代表・中小企業診断士

上場している仲介会社と契約し、基本合意の直前まで進んでいた社長から相談を受けたことがあります。相手はファンド1社で、担当者からは「ここで決めないと相手がいない」と言われていました。でも決算書を拝見すると、もっと多くの会社が関心を持ちそうな、内容の良い会社でした。

社長のご希望でアドバイザーを数社ご紹介し、社長が選んだFAで買い手を探し直したところ、複数の会社から意向表明が出てきました。結果として、「相手がいない」という話は事実と違っていたことになります。

※個別のケースです。どの会社でも同じ結果になるわけではありません。

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言われたときに確かめたい3つのこと

01

「これまで、何社にどう声をかけましたか?」

打診した範囲と、どんな資料で紹介したのか。数だけでなく、相手の顔ぶれも聞いてみます。

02

「なぜ、今決める必要があるのですか?」

相手側の事情なのか、スケジュールの都合なのか。具体的な理由を話せるかを見ます。

03

「ほかの進め方をした場合、どうなりそうですか?」

仲介とFAなど、別の進め方の見立ても聞いてみると、提案の幅が分かります。

これらにきちんと答えてもらえて、納得できるのであれば、その判断で進めるのも一つの選択です。答えがあいまいだったり、質問自体を嫌がられたりするようであれば、一度立ち止まって、ほかの意見を聞いてみてください。

迷ったら、決める前にもう一人の意見を

最終契約と代金の決済が終わるまでは、売り手は「やめる」と言うことができます。急かされているときほど、一度深呼吸をして、比べられる状態をつくってから決めることをおすすめします。セカンドオピニオンの受け方は、こちらの記事でまとめています。

Q&A「他にも候補がいるから早く決めて」と急かされたら、どうすればいいですか?GUIDEM&Aのセカンドオピニオン|進行中の話に違和感があるとき、契約前に確かめたいこと

SECOND OPINION

今の進め方でいいのか、
第三者の目で確かめられます

すでにアドバイザーと話が進んでいる段階でも、売ると決めていない段階でも、ご相談いただけます。今の進め方で良ければ「そのままで大丈夫です」とお伝えします。初回のご相談は無償です。

野﨑繁裕

WRITER

野﨑 繁裕

株式会社M&Aスタジオ 代表取締役CEO/中小企業診断士

滋賀銀行に2003年入行。法人融資を経て2014年から本部でM&Aアドバイザリーに従事し、2015年からの日本M&Aセンターへの出向を含む8年間で49件のM&A成約に関与。2022年よりM&Aスタジオ代表。著書『M&Aはアドバイザー選びが9割!』。YouTube「M&A STUDIO」でM&Aの実情を発信中。代表メッセージを読む

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