会社を売ったときの税金は、どう計算しますか?株の取得費が分からない場合は?
株式譲渡で会社を売ったときの税金は、売却価格から株の取得費などを差し引いた「利益」に、所得税と住民税などをあわせて約20%(20.315%)をかけて計算します。売却価格そのものに税金がかかるわけではありません。株をいくらで取得したか分からない場合は、売却価格の5%を取得費とすることができます。親から相続した株なら、親の取得費を引き継げます。なお、2027年分からは、利益がとても大きい場合に追加の税負担が生じやすくなるので、早めに税理士と試算しておきましょう。
- 税金は、売却価格ではなく利益にかかる
- 税率は、所得税と住民税などをあわせて約20%
- 取得費が分からなければ、売却価格の5%を使える
- 相続した株は、親の取得費を引き継げる
税金は、売却価格ではなく「利益」にかかる
会社を売ろうと考えたとき、多くの社長が気になるのが「税金はいくらかかるのか」です。株式譲渡の場合、税金は売却価格そのものではなく、売却価格から株の取得費などを差し引いた利益にかかります。考え方は、上場株式を売ったときと同じです。
税率は、所得税15%と住民税5%に、復興特別所得税(所得税額の2.1%)が加わって、合計20.315%です。
利益の計算は、株式の譲渡対価、つまり売却価格から取得費を控除するという形で行います。利益に課税されるということですね。M&Aの譲渡にかかる税金は、上場株式と同じとなります。
動画で見る【M&A税金】株式譲渡の「取得費」で税額が変わる|経営者が押さえるべき3つのルール【M&Aを漫画で解説/第46話】
▶ 3:52 から再生されます| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ① 売却価格 | 内容株を売った代金 |
| ② 取得費 | 内容株を取得したときの金額(分からなければ売却価格の5%など) |
| ③ 売るためにかかった費用 | 内容アドバイザーへの報酬など。差し引けるかどうかは税理士と確認 |
| ④ 利益 | 内容①−②−③ |
| ⑤ 税金 | 内容④×約20%(20.315%) |
※税金の仕組みは2026年10月時点の制度にもとづく一般的な説明です。実際の税額は、ほかの所得や個別の事情、今後の制度の変更によって変わります。必ず税理士などの専門家と確認してください。
取得費が分からないときは、売却価格の5%
創業者から受け継いだ株や、昔に買い取った株の場合、いくらで取得したのか分からないことがあります。その場合は、売却価格の5%を取得費として計算できます。実際の取得費が分かる場合は、実際の取得費と売却価格の5%の、どちらか大きいほうを使えます。
譲渡所得を計算するうえでの取得費が不明な場合は、譲渡価格の5%で計算します。実際、これで計算するケースが多いように思います。
動画で見る【M&A税金】株式譲渡の「取得費」で税額が変わる|経営者が押さえるべき3つのルール【M&Aを漫画で解説/第46話】
▶ 7:04 から再生されます相続した株は、親の取得費を引き継げる
親から相続した株の場合は、親が取得したときの金額を引き継ぎます。さらに、相続から一定の期間内に売った場合は、その株にかかった相続税の一部を取得費に加えられる特例もあります。
| ルール | 内容 |
|---|---|
| 取得費が分からない | 内容売却価格の5%を取得費にできる |
| 相続した株 | 内容親(亡くなった方)の取得費を引き継ぐ。売却価格の5%と比べて大きいほうを使える |
| 相続税の取得費加算 | 内容相続から3年10か月以内に売った場合、その株にかかった相続税の一部を取得費に加えられる |
野﨑の漫画動画では、70歳の社長が、アドバイザーに頼む前に自分で税金の論点を整理しておきたい、と相談に来る場面で、この3つのルールが説明されています。
※漫画は、野﨑の経験をもとに再構成したフィクションです。
動画で見る【M&A税金】株式譲渡の「取得費」で税額が変わる|経営者が押さえるべき3つのルール【M&Aを漫画で解説/第46話】
▶ 5:16 から再生されます※契約内容や法律・税金の扱いは、弁護士や税理士などの専門家と確認しながら進めてください。
計算の例
たとえば、昔から持っている株を5億円で売り、取得費が分からない場合を考えてみます。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 売却価格 | 金額5億円 |
| 取得費(売却価格の5%) | 金額2,500万円 |
| 利益 | 金額4億7,500万円 |
| 税金(20.315%) | 金額約9,650万円 |
| 手元に残る金額 | 金額約4億350万円 |
※計算は考え方を示すための簡単な例です。ほかに所得がない前提で、譲渡にかかった費用や特例などは考えていません。実際の税額は、必ず税理士と確認してください。
実際には、アドバイザーへの報酬などの費用や、退職金と組み合わせるかどうかによっても、手元に残る金額は変わります。
Q&A売却代金を株式と役員退職金に分けると、手取りは変わりますか?2027年分からは、利益が大きい場合の負担が増える
所得がとても多い人の税負担を見直す制度(いわゆるミニマムタックス)が、2026年3月に成立した改正法で強化されました。2027年分の所得からは、株の売却益だけで見て、おおむね3億4,000万円ほどを超えると、追加の税負担が生じる可能性があります。2026年分までは、この目安はおおむね10億円ほどでした。
ミニマムタックス等の論点が気になる方は、ぜひ日本一のM&A会計士である澤村さんのインタビューをご覧ください。
動画で見る【M&A税金】株式譲渡の「取得費」で税額が変わる|経営者が押さえるべき3つのルール【M&Aを漫画で解説/第46話】
▶ 6:44 から再生されます※税金の仕組みは2026年10月時点の制度にもとづく一般的な説明です。実際の税額は、ほかの所得や個別の事情、今後の制度の変更によって変わります。必ず税理士などの専門家と確認してください。
Q&A税制が変わる前に、急いで売ったほうがいいですか?税金について、売る前に確かめたいこと
- 株の取得費いくらで取得したか分かる資料があるか。相続した株か
- 売る年2026年分と2027年分以降で、追加の負担が変わる可能性がある
- 退職金との組み合わせ株の代金と退職金をどう分けるか
- 税理士への相談M&Aの税金に詳しい税理士に、手取りを試算してもらったか
PROCESS
どの段階からでも、
進め方を一緒に確かめられます
これから相談先を決める段階でも、すでにアドバイザーと話が進んでいる段階でも構いません。会社の状況と目的に合う進め方とアドバイザーを、一緒に整理します。ご相談から選定までの費用はいただきません。
同じテーマのQ&A
- 会社を売るには、相談から引き継ぎまでどれくらいかかりますか?
- 初回の面談では何を話すのですか?売ると決めていなくても行っていいですか?
- 「案件化」とは何ですか?なぜ最初の準備が大切なのですか?
- 会社を売ることが、社員や取引先に漏れないか不安です。情報はどう守られますか?
- 買い手の候補はどう選ばれますか?上場企業に売れば安心ですか?
- トップ面談では、何を準備して、どう振る舞えばいいですか?
- 基本合意契約には、どんな拘束力がありますか?
- 買収監査(デューデリジェンス)では、何を調べられるのですか?
- 株式譲渡と事業譲渡は何が違いますか?手取りが多いのはどちらですか?
- 売却代金を株式と役員退職金に分けると、手取りは変わりますか?
- 株主が分散していて、ほかの株主が株を売ってくれません。どうすればいいですか?
関連する記事
-
解説記事
売却代金を株式と役員退職金に分けると、手取りは変わりますか?
2026.10.14
-
解説記事
株式譲渡と事業譲渡は何が違いますか?手取りが多いのはどちらですか?
2026.10.14
-
解説記事
株主が分散していて、ほかの株主が株を売ってくれません。どうすればいいですか?
2026.10.14
-
解説記事
買収監査(デューデリジェンス)では、何を調べられるのですか?
2026.10.14
-
解説記事
トップ面談では、何を準備して、どう振る舞えばいいですか?
2026.10.14
-
解説記事
買い手の候補はどう選ばれますか?上場企業に売れば安心ですか?
2026.10.14
-
解説記事
「案件化」とは何ですか?なぜ最初の準備が大切なのですか?
2026.10.14
-
解説記事
基本合意契約には、どんな拘束力がありますか?
2026.10.13
-
解説記事
会社を売ることが、社員や取引先に漏れないか不安です。情報はどう守られますか?
2026.10.13
-
解説記事
初回の面談では何を話すのですか?売ると決めていなくても行っていいですか?
2026.10.13
-
解説記事
会社を売るには、相談から引き継ぎまでどれくらいかかりますか?
2026.10.13
-
解説記事
税制が変わる前に、急いで売ったほうがいいですか?
2026.10.14



