売却するときの株価は、相続税評価額と何が違うのですか?
M&Aで会社を売るときの株価は、相続税の計算に使う評価額ではなく、買い手と交渉して決まった金額です。利害関係のない第三者どうしが、きちんとした手順で交渉して決めた価格は、一般にその時点の「時価」と考えられています。そのため、相続税評価額を大きく上回る価格で売れることも珍しくありません。株価が決まるまでの資料は、あとで経緯を説明できるよう保管しておくと安心です。税務の扱いは、税理士と確認しながら進めてください。
- 売却の株価は、第三者との交渉で決まる
- 税理士から聞く相続税評価額とは、別の物差し
- 相続税評価額より高く売れることも多い
- 株価の根拠資料や交渉の経緯は保管しておく
ふだん目にする「株価」は、相続税評価額のことが多い
M&Aを考えたことのない社長が、顧問税理士から聞く自社の株価は、たいてい相続や贈与の税金を計算するための評価額です。そのため、M&Aの株価の話を聞いて「そんなに高くなるのか」と驚く方も少なくありません。
中小企業の株価は、M&Aを検討し始めた社長からすると、第三者間で売買する価格というのは当たり前のことかと思います。ただ、そういう検討をしたことがない経営者は、税理士からは相続税評価しか聞いていないので、相続税評価額より高い価格で売却できるという事実に驚く社長さんが結構多いと思いますね。
動画で見る会社はいくらで売れる?M&Aの株価=「時価」の決まり方|相続税評価との違い【M&Aを漫画で解説】
▶ 3:20 から再生されます| 項目 | 相続税評価額 | M&Aの株価 |
|---|---|---|
| 何のための値段か | 相続税評価額相続や贈与の税金を計算するため | M&Aの株価会社を売り買いするため |
| どう決まるか | 相続税評価額税金のルールに沿って計算する | M&Aの株価買い手との交渉で決まる |
| 値段の傾向 | 相続税評価額純資産などをもとにした水準 | M&Aの株価営業権(のれん)が上乗せされ、相続税評価額を上回ることも多い |
第三者との交渉で決まった価格が「時価」になる
野﨑の漫画動画には、相続税評価額ベースで3億円の会社が、営業権がついて6億円で売れそうだと聞き、「純資産とかけ離れた株価で、税務上問題ないのか」と心配する社長が登場します。漫画では、利害関係のない第三者どうしが、経済的な合理性を考えて決めた取引価格は、一般に合理的なものとして認められる、という考え方が紹介されています。
※漫画は、野﨑の経験をもとに再構成したフィクションです。
一方で、相手に極端に安く売るなど、経済的な合理性が説明しにくい価格の場合は、税務上の論点が出る可能性もあります。価格の決め方に不安があるときは、早めに税理士に確認しておきましょう。
※契約内容や法律・税金の扱いは、弁護士や税理士などの専門家と確認しながら進めてください。
株価が決まるまでの資料は、残しておく
M&Aの株価は、最初の企業価値評価から、相手探し、交渉と進むなかで少しずつ固まっていきます。その経緯が分かる資料は、価格が正しい手順で決まったことの裏付けになります。
一般的にM&Aを進めるうえでは、アドバイザーが企業価値評価を行うケースが多いので、そのときに株式評価に関する資料が必ず社長の元に提出されると思います。それを一つの根拠として相手探しを進めて、交渉を経て最終的な株価が決まる。そういった一連の資料が残っていると、しっかりとプロセスを踏んで株価が決定されたことの裏付けになりますので、一定期間は保管しておかれることをおすすめしたいと思います。
動画で見る会社はいくらで売れる?M&Aの株価=「時価」の決まり方|相続税評価との違い【M&Aを漫画で解説】
▶ 5:16 から再生されます保管しておきたい資料の例
- 企業価値評価の資料アドバイザーが最初に出した株価の算定資料
- 買い手からの提案意向表明書など、各社が示した条件
- 交渉の経緯条件が変わった理由が分かるやりとり
- 最終契約書最終的に合意した価格と条件
株価は、進め方と相手によって大きく変わる
相続税評価額のように、決まった計算式で一つの数字が出るわけではありません。同じ会社でも、どんな相手に、どう当たるかによって、条件は大きく変わります。
企業価値評価の仕方も、やり方によって大きく変わります。業種や業績の伸び、そのときどきの需要によって、中小企業の株価の相場も大きく動きます。私も過去を振り返って、この会社であればこういう進め方をしたほうが社長の手取りが数億円増えただろうな、という事案はたくさんあるんです。ですから、くれぐれも入り口を間違わないようにしていただきたいと思います。
動画で見る会社はいくらで売れる?M&Aの株価=「時価」の決まり方|相続税評価との違い【M&Aを漫画で解説】
▶ 6:20 から再生されます※株価の算定には、資産の評価や税金の扱いなども関わります。具体的な評価は、アドバイザーや税理士などの専門家と確認しながら進めてください。
GUIDE会社の価値はどう決まる?|株価の決まり方と、売る前から企業価値を高めるためにできることFIRST STEP
売るか決めていなくても、
会社の今の価値を確かめられます
値段だけ知りたい、という段階でも構いません。今の価値を知ったうえで、売る・売らない・伸ばしてから考える、どれを選ぶかは社長の自由です。初回のご相談は無償です。
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