初回の面談で高い査定額を出してくるM&A会社は、信じていいですか?

  • カテゴリ解説記事
  • 公開日2026年10月13日
初回の面談で高い査定額を出してくるM&A会社は、信じていいですか?
短い答え野﨑が答えます

金額の高さだけで選ぶのはおすすめしません。中小企業の株価は、買い手候補に実際に声をかけ、出てきた提案で決まります。最初の面談で示される金額は、どの会社が出したものでも「見込み」にすぎません。

  • 高い査定を出した会社に頼めば高く売れる、という関係はない
  • 高い金額を示されたら、根拠を具体的に聞く
  • 査定額ではなく、経験・進め方・相性まで含めて比べる

最初の査定額は、どこが出しても「見込み」

自社を20億円と言う会社と30億円と言う会社があれば、30億円のほうが魅力的に見えるのは自然なことです。ただ、どちらの数字も、その会社が自分で買ってくれる金額ではありません。

上場株と違い、中小企業の株式には毎日の株価がありません。実際の価格は、会社の情報をきちんと整理したうえで買い手候補に幅広く打診し、そこで出てきた提案によって決まります。高い査定を出したアドバイザーに頼めば高く売れる、という関係はありません。

なぜ高めの金額が出てくることがあるのか

アドバイザーにとって、まず契約を結べるかどうかは大きな分かれ目です。特に一社に任せる「専任契約」を結べれば、その後に金額が下がっても、売り手が手間をかけて別の会社へ乗り換えることは少なくなります。そのため、入り口で高めの金額を示したくなる力が働くことがあります。

もちろん、すべての会社がそうだというわけではありません。根拠を持って高い評価をしているケースもあります。だからこそ、金額そのものではなく、根拠で見分けることが大切です。

野﨑繁裕
野﨑の視点M&Aスタジオ代表・中小企業診断士

複数の仲介会社と面談した経営者から、「ある会社がとても高い金額を言ってくれたので心が揺れている」と相談を受けたことがあります。冷静に検討していただいたうえで別の進め方を選び、幅広く買い手候補に打診したところ、いくつも手が挙がりました。ただ、その中で一番高い提案でも、最初に示されていた金額より大きく低いものでした。

最初の数字がどれだけ根拠の薄いものだったかが、はっきり分かったケースです。

動画で見る【「〇〇」と言ってくるM&Aアドバイザーには気をつけろ】ヤバい担当者の見分け方

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高い金額を示されたら、確かめたい3つのこと

01

「なぜその金額なのですか?」

どんな買い手を想定し、どの数字をもとに計算したのか。根拠を具体的に話せるかを見ます。

02

「その金額を出す買い手が、すでにいるのですか?」

いる場合、その価値は「相手を連れてこられること」。進め方そのものを任せる理由になるかは別に考えます。

03

「どの範囲の買い手候補に声をかけますか?」

最終的な価格を左右するのは、声をかける範囲と、相手に渡す情報の質です。

あわせて、報酬の仕組みも確認しておきましょう。多くの場合、アドバイザーの成功報酬は譲渡価格に連動します。手数料の計算方法は契約前に必ず書面で確認してください。

査定額ではなく、比べて選べる状態をつくる

査定額は、アドバイザーを比べる材料のひとつにすぎません。経験、進め方、担当者との相性まで含めて、2〜3者の話を聞いて比べることをおすすめします。比べ方は、こちらの記事で詳しくまとめています。

GUIDEM&Aアドバイザーの選び方|相談先4タイプの違いと、初回面談で確かめたいこと

SECOND OPINION

提示された金額が妥当か、
第三者の目で確かめられます

すでに査定額や条件を示されている場合も、売ると決めていない段階でも、ご相談いただけます。ご相談は無償です。

野﨑繁裕

WRITER

野﨑 繁裕

株式会社M&Aスタジオ 代表取締役CEO/中小企業診断士

滋賀銀行に2003年入行。法人融資を経て2014年から本部でM&Aアドバイザリーに従事し、2015年からの日本M&Aセンターへの出向を含む8年間で49件のM&A成約に関与。2022年よりM&Aスタジオ代表。著書『M&Aはアドバイザー選びが9割!』。YouTube「M&A STUDIO」でM&Aの実情を発信中。代表メッセージを読む

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