地方銀行にM&Aを相談するとき、何を確かめておけばいいですか?

  • カテゴリ解説記事
  • 公開日2026年10月14日
地方銀行にM&Aを相談するとき、何を確かめておけばいいですか?
短い答え野﨑が答えます

地方銀行には、取引先との長い関係から生まれる「顔の見える買い手候補リスト」、地域の深い情報、融資と一体で進められる力という、ほかにない強みがあります。そのうえで、担当者個人の実績、報酬の決まり方(書面で)、契約の形、買い手候補をどこまで広く探せるかを確かめ、ほかの相談先とも比べて決めましょう。

  • 担当者個人の実績と、M&Aの担当年数を聞く
  • 報酬は書面で。契約の形(銀行単独か、専門会社と組むのか)も確かめる
  • 地域外や全国の買い手にも当たれるかを確かめる

地方銀行の強み

強み 中身
顔の見える買い手候補リスト 中身長年取引してきた会社との関係そのもの。電話一本で話を聞いてもらえる
地域の深い情報 中身地域の業界事情、社長どうしの関係など、表に出ない情報を持っている
融資と一体で進められる 中身買い手の資金づけまで含めて、一貫して支えられる
野﨑繁裕
野﨑の視点M&Aスタジオ代表・中小企業診断士

仲介会社が「初めまして、こんな案件があります」と提案するのと、地方銀行が「いつもお世話になっております」と電話するのとでは、入口のハードルがかなり違います。何十年もかけて作られた関係なので、ほかの会社がどれだけ努力しても追いつけないところがあると思います。

動画で見る地方銀行M&A「5つの強み」を元地銀M&A担当が解説【教えて野﨑さん】

▶ 3:06 から再生されます

確かめておきたい4つのこと

確かめること 聞き方・見るポイント
担当者個人の実績 聞き方・見るポイント個人として何件の成約に関わったか、M&Aの担当は何年目か
報酬の決まり方 聞き方・見るポイント着手金・中間報酬・成功報酬・最低報酬と、何を基準に計算するかを書面で
契約の形 聞き方・見るポイント銀行単独か、銀行と専門会社が一緒に契約するか、専門会社へつなぐだけか
買い手候補の範囲 聞き方・見るポイント近隣の数県だけか、全国や業種に強い買い手にも当たれるか
野﨑繁裕
野﨑の視点M&Aスタジオ代表・中小企業診断士

チームとしての実績が立派でも、最初の契約から最後の決済まで実際に案件を動かすのは、担当者個人です。配属されて2、3か月の方が担当になることも珍しくありません。新任が悪いわけではありませんが、ベテランか新人かで任せ方が変わりますよね。聞くことに気まずさを感じる必要は一切ないので、堂々と聞いてほしいと思います。

動画で見る地銀M&A担当の力量と裏側を見抜く9つの質問【教えて野﨑さん】

▶ 4:20 から再生されます
Q&A銀行との契約で出てくる「バンクロック」とは何ですか?付いていたらどうすればいいですか?

最初に聞いた株価が、その後の基準になる

野﨑繁裕
野﨑の視点M&Aスタジオ代表・中小企業診断士

中小企業の株価は、アドバイザーが一定の理屈で算定するものです。その理屈はいろいろあって、評価のしかたで1.5倍から2倍ぐらいの幅が出ることもあります。

気をつけてほしいのは、最初にアドバイザーから聞いた価格が、その後の交渉全体の基準点になってしまうことです。別の目線で評価し直すだけで、売り手さんの景色がまったく変わることもあります。

動画で見る地銀に相談する社長が比較すべき5つのポイント【教えて野﨑さん】

▶ 3:36 から再生されます

地方銀行を選ぶなら、比べたうえで

野﨑繁裕
野﨑の視点M&Aスタジオ代表・中小企業診断士

1社で決めてはいけない、ということではありません。ただ、もはや比べずに決める合理的な理由はないと思います。いろいろ比べたうえで地方銀行を選んだ、という社長は、最も賢明な意思決定をしていると言えるのではないでしょうか。

それから、手取りを左右する税金の設計は、法律上、税理士にしかできない部分があります。税理士と一体で動けるかどうかも、確かめておくといいと思います。

動画で見る地銀に相談する社長が比較すべき5つのポイント【教えて野﨑さん】

▶ 4:38 から再生されます
Q&A銀行に会社売却を相談すると、銀行自身の仲介を勧められるのはなぜですか?GUIDEM&Aアドバイザーの選び方|相談先4タイプの違いと、初回面談で確かめたいこと

ADVISOR SELECTION

売ると決めていなくても、
相談先を一緒に整理できます

社長のお考えと会社の状況をうかがったうえで、比べて選べる状態をつくるお手伝いをします。今のアドバイザーとの進め方に不安がある場合のセカンドオピニオンにも対応しています。ご相談は無償です。

野﨑繁裕

WRITER

野﨑 繁裕

株式会社M&Aスタジオ 代表取締役CEO/中小企業診断士

滋賀銀行に2003年入行。法人融資を経て2014年から本部でM&Aアドバイザリーに従事し、2015年からの日本M&Aセンターへの出向を含む8年間で49件のM&A成約に関与。2022年よりM&Aスタジオ代表。著書『M&Aはアドバイザー選びが9割!』。YouTube「M&A STUDIO」でM&Aの実情を発信中。代表メッセージを読む

関連する記事