業績が伸びている最中に売る社長は、なぜその判断をしたのですか?

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  • 公開日2026年10月14日
業績が伸びている最中に売る社長は、なぜその判断をしたのですか?
短い答え野﨑が答えます

業績が伸びている最中に売る社長は、「今は伸びていても、この先ずっと伸ばし続けられるか」を冷静に考えています。野﨑がインタビューした社長の場合、10年先の見通し、社員の雇用を守り続けられるか、子どもに継がせるのがいいのか、そして自分は本当にこの仕事がやりたかったのか、という理由が重なっていました。好調なときに出口をつくるのは、立派な経営判断の一つだと野﨑は考えています。もちろん、売らずに伸ばし続けるのも一つの選択です。

  • 今の好調が、この先も続くとは限らない
  • 業績が良いときのほうが、条件が付きやすい
  • 社員の雇用や、子どもへの承継も判断材料になる
  • 好調なときに出口をつくるのも、経営判断の一つ

売上を17倍にした3代目は、なぜ売ったのか

会社を売る社長というと、60代以上で後継者がいない、という姿を思い浮かべる方が多いかもしれません。ただ、業績が伸びている最中に、若くして会社を売る社長もいます。

野﨑がインタビューしたのは、家業のクリーニング会社を3代目として継ぎ、売上を大きく伸ばしたあと、33歳で会社を売却した社長です。会社は200人ほどを雇用し、業績も好調でした。それでも売ると決めた理由として、社長は次のようなことを挙げています。

1

10年先の見通し

あと10年は伸ばせても、その先は横ばいになり、いつか縮んでいく。定年まで30年以上、会社を伸ばし続ける自信はなかった

2

雇用を守り続けられるか

人に頼る商売で、地域で人を雇い続けるのは年々難しくなる。より大きな会社のもとにいたほうが、事業を続けやすいと考えた

3

子どもに継がせるのがいいのか

厳しい環境のなかで子どもに継がせるより、売却して一族の生活を安定させたほうがいいと考えた

4

やり切った、という気持ち

3代目としてやることは一通りやった。自分が本当にやりたいことは何か、と考えるようになった

※個別のケースです。どの会社でも同じ結果になるわけではありません。

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▶ 1:05 から再生されます

好調なときに出口をつくるのは、経営判断

会社が伸びているのに売るのはもったいない、と感じる方もいると思います。野﨑は、この社長の判断を「経営判断」だと話しています。

野﨑繁裕
野﨑の視点M&Aスタジオ代表・中小企業診断士

今の角度だったら、これから5年、10年やっても利益が出ていくと思います。ただ、事業は最初に起業して、最終的にはどこかで成熟して衰退していくものです。上場株でもそうですが、買ったら売らないと利益は手に入らない。3代目としてやり切って、しっかり出口をつくられたということだと思いました。

最後のところは本質的だと思うんですが、そこまでやり切ったうえで振り返ったときに、自分は本当にこれがやりたかったのか、と思われた。そういう考え方もあるのだと思います。

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▶ 5:33 から再生されます
Q&A会社を売るベストなタイミングは、いつですか?

決算が悪くなる前に、という感覚

この社長は、希望していた金額で話がまとまりそうになったとき、「翌年の決算が悪くなれば、営業権の根拠が崩れるかもしれない。それなら今売っておこう」と考えたそうです。会社の価格は、直近の業績をもとに決まることが多いので、好調なときのほうが良い条件が付きやすい面があります。

野﨑繁裕
野﨑の視点M&Aスタジオ代表・中小企業診断士

そういう感覚って大事かなと私は思うんですよね。

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▶ 17:52 から再生されます
Q&A希望する株価と買い手の提示額に差があります。売るか待つか、どう判断すればいいですか?

社長がいなくても回る会社は、引き継ぎやすい

この社長は売却後も、買い手の希望で2年間は社長を続ける契約でした。ただ、会社に出るのは月に1回ほど。幹部が自分で考えて提案し、社長は判断する、という形で会社が回っていたからです。

野﨑繁裕
野﨑の視点M&Aスタジオ代表・中小企業診断士

社長に依存している会社は、やはり譲り受けにくいと思っています。社長があまり行かなくても会社がちゃんと利益を出していくというのは、仕組み化を実現されていたということの裏付けだと思います。

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※個別のケースです。どの会社でも同じ結果になるわけではありません。

Q&A売却したあと、社長はどれくらい会社に残ればいいですか?

伸びている今だからこそ、選択肢を並べてみる

業績が良いときは、売る、伸ばし続ける、いずれ売るために準備する、と選べる道が多い時期でもあります。売ると決める必要はありません。今の会社の価値と、自分のこれからの人生を並べて、一度考えてみるだけでも判断材料が増えます。

好調なときに考えておきたいこと

  • 10年先の見通し今の伸びは、この先も続きそうか
  • 社員と事業今の体制で、雇用や事業を守り続けられるか
  • 承継子どもや社員に継がせる道はあるか、継がせたいか
  • 自分の人生この先も自分がやりたいことか、売ったあと何をしたいか
Q&A業績は好調なのに、経営に疲れました。この気持ちで売却を考えてもいいのでしょうか?GUIDE会社を売るか、売らないか|売り時の考え方と、決める前に整理しておきたいこと

FIRST STEP

売ると決めていなくても、
選択肢を一緒に並べられます

売る、継ぐ、今は売らずに会社を良くする。どれが合うかは、社長の人生の計画と会社の状態によって変わります。まだ何も決めていない段階でも構いません。初回のご相談は無償です。

野﨑繁裕

WRITER

野﨑 繁裕

株式会社M&Aスタジオ 代表取締役CEO/中小企業診断士

滋賀銀行に2003年入行。法人融資を経て2014年から本部でM&Aアドバイザリーに従事し、2015年からの日本M&Aセンターへの出向を含む8年間で49件のM&A成約に関与。2022年よりM&Aスタジオ代表。著書『M&Aはアドバイザー選びが9割!』。YouTube「M&A STUDIO」でM&Aの実情を発信中。代表メッセージを読む

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