理想の買い手でないと嫌だと思ってしまいます。こだわりすぎでしょうか?

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  • 公開日2026年10月14日
理想の買い手でないと嫌だと思ってしまいます。こだわりすぎでしょうか?
短い答え野﨑が答えます

大切に育ててきた会社だからこそ、相手にこだわるのは自然なことです。ただ、「上場企業でないと」「大手でないと」と、イメージだけで候補を絞りすぎると、会社を伸ばしてくれる相手との出会いを自分で潰してしまうことがあります。社員の雇用や会社の名前など、本当に譲れない条件と、なんとなくのイメージを分けてみてください。そのうえで、複数の候補の条件を事実で比べると、納得して決めやすくなります。

  • 相手にこだわるのは、自然なこと
  • ただ、イメージだけで候補を絞ると、出会いを潰すことがある
  • 譲れない条件と、なんとなくのイメージを分ける
  • 複数の候補を、事実で比べる

こだわりすぎて、1年たっても相手が見つからない

野﨑の漫画動画には、年商50億円のアパレルメーカーを一代で育てた社長が登場します。後継者がおらず、メインバンクに相手探しを頼みますが、候補先のリストを見て「よく分からない会社ばかりだ。誰もが知っている大手でないとやる気はない」と言い切ります。

1年たっても相手は見つからず、社長はアドバイザーを変えようと考えます。ところが、相談を受けたアドバイザーは「相手が見つからない理由は、候補先への理想が高すぎることです」とはっきり伝えます。会社を成長させ、社員を幸せにできる会社は、ほかにもたくさんある。その可能性を、先入観で潰してしまうのはもったいない、というわけです。

※漫画は、野﨑の経験をもとに再構成したフィクションです。

動画で見る【年商50億でも買い手ゼロ】社長のNG行動のせいで買い手が見つからない中小企業の末路【マンガでわかるM&A/第215話】

▶ 3:15 から再生されます
Q&A大手を含め何社かに頼みましたが、買い手が見つかりません。もう売れないのでしょうか?

イメージだけで、気持ちが傾いていないか

「上場企業に売った」と言えれば、周りにも説明しやすく、社長のメンツも保たれる気がします。その気持ちはよく分かります。ただ、イメージで選んだ相手が、会社や社員にとって一番いい相手とは限りません。

野﨑繁裕
野﨑の視点M&Aスタジオ代表・中小企業診断士

アドバイザーをやっている中で、あるいは助言をしていく中で、いまだにこういう場面に出くわすことはすごく多いように思います。オーナーさんがイメージで一方的に特定の買い手への熱意を高めている、というケースです。

もちろん人間ですので、イメージ先行で感情的なバイアスがかかることはあると思います。ただ、条件面はあくまでも事実ベースで確認して、検討していきたいと思います。

動画で見る【M&Aで失敗しない】会社の譲渡・売却先の正しい選び方【M&Aを漫画で解説/第22話】

▶ 4:10 から再生されます
Q&A買い手の候補はどう選ばれますか?上場企業に売れば安心ですか?

譲れない条件と、なんとなくのイメージを分ける

こだわりをすべて捨てる必要はありません。大切なのは、本当に譲れない条件と、なんとなくのイメージを分けることです。譲れない条件がはっきりしていれば、アドバイザーも相手を探しやすくなります。

種類 例 考え方
譲れない条件 例社員の雇用を守ってほしい、会社の名前を残してほしい 考え方はっきりアドバイザーに伝え、候補先にも確かめる
優先したい条件 例同じ地域の会社がいい、同業がいい 考え方ほかの条件との兼ね合いで考える
なんとなくのイメージ 例上場企業がいい、誰もが知っている大手がいい 考え方その理由が本当に会社や社員のためか、一度立ち止まって考える

この表は、考え方を整理するための例です。何を譲れないと考えるかは、社長ごとに違います。

複数の候補を比べると、納得して決めやすい

候補を最初から絞りすぎず、複数の相手と会って条件を比べると、思ってもいなかった相手が一番いい条件を出してくることもあります。同じ会社に対しても、買い手によって提示する株価が大きく違うのは珍しいことではありません。

野﨑繁裕
野﨑の視点M&Aスタジオ代表・中小企業診断士

中小企業の株価は、経験上、かなり上下の振れ幅が大きいという印象を持っています。複数の買い手と面談して、最終的に提示された条件を比較検討した結果、納得の意思決定ができる。収益性や成長性が高い会社の場合、株価に2億円の差が開くこともよくあることです。

動画で見る【M&Aで失敗しない】会社の譲渡・売却先の正しい選び方【M&Aを漫画で解説/第22話】

▶ 10:02 から再生されます

※数字は考え方を説明するための例です。実際の価格は、会社の中身と買い手との交渉によって決まります。

候補を絞る前に確かめたいこと

  • こだわりの理由その相手がいい理由は、会社や社員のためか、自分のイメージか
  • 譲れない条件雇用、会社の名前、社長の処遇など、本当に外せないことは何か
  • 候補の幅最初から絞りすぎず、いくつかの相手と会えているか
  • 耳の痛い助言アドバイザーは、言いにくいこともはっきり伝えてくれるか
Q&A幹部社員に打ち明けたら猛反発されました。キーマンが辞めたら会社の価値は下がりますか?GUIDE会社を売ることを、社員や家族にどう伝える?|迷う社長の気持ちと、打ち明ける順番

FIRST STEP

誰にも言えないことから、
まず話してみませんか

売るかどうか決めていなくても、家族にまだ話していなくても構いません。誰に、いつ、どう伝えるかも含めて、社長の状況に合わせて一緒に整理します。初回のご相談は無償です。

野﨑繁裕

WRITER

野﨑 繁裕

株式会社M&Aスタジオ 代表取締役CEO/中小企業診断士

滋賀銀行に2003年入行。法人融資を経て2014年から本部でM&Aアドバイザリーに従事し、2015年からの日本M&Aセンターへの出向を含む8年間で49件のM&A成約に関与。2022年よりM&Aスタジオ代表。著書『M&Aはアドバイザー選びが9割!』。YouTube「M&A STUDIO」でM&Aの実情を発信中。代表メッセージを読む

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