株主が分散していて、ほかの株主が株を売ってくれません。どうすればいいですか?
多くの場合、応じてもらえない理由は買い取りの価格です。額面のような低い価格で頼むと、断られることがよくあります。アドバイザーと進めて買い手と基本合意を結び、そこで合意した株価と同じ条件で買い取る(一緒に譲渡する)と伝えると、話が進みやすくなります。
- M&Aでは、株を100%まとめて譲るのが原則
- 額面での買い取りは、今の会社の価値とかけ離れていることが多い
- 先に安く買い集めるより、M&Aで決まる株価で買い取るほうが納得を得やすい
M&Aでは、株を100%まとめて譲るのが原則
中小企業では、創業のときに出資してくれた人や親族などに株が分かれていることが少なくありません。M&Aでは、株を100%まとめて譲るのが原則なので、ほかの株主にも同意してもらう必要があります。
第三者に株を持たせてはいけない、とは言いません。ただ、会社の利益やその積み重ねは、最終的に株主のものになります。会社の価値を高めることに関わらない人に、むやみに株を持たせるのは避けたほうがいいと思います。
株が分散している状態でも、M&Aを進めることはできます。
応じてもらえない理由は、たいてい価格
たとえば、社長が5割、創業時に出資した2人が2.5割ずつ株を持っている会社のケースです。社長がほかの2人に株を譲ってほしいと頼んだところ、「急がなくてもいいじゃないか」と断られてしまいました。
| 項目 | 1株あたり |
|---|---|
| 社長が示した買い取り価格(額面) | 1株あたり50円 |
| 純資産から見た株の価値 | 1株あたり5万円(額面の1,000倍) |
株を買い集めたいのに応じてもらえない、という話は何度も経験しています。客観的に見ると、買い取りの価格が低すぎるのが理由のことがほとんどです。相手が銀行員や会社の役員など、ある程度知識のある方なら、なおさらその価格では応じられないですよね。そのずれを正すと、すっと前に進むことが多かったです。
動画で見る株式が分散している場合の対処法|非協力的な株主との交渉【M&Aを漫画で解説】
▶ 5:43 から再生されます※個別のケースです。どの会社でも同じ結果になるわけではありません。
M&Aで決まる株価で買い取る、と伝える
では、どんな価格なら応じてもらいやすいのか。一つの方法は、先に買い集めるのではなく、まずアドバイザーと契約して買い手を探し、基本合意で決まった株価で、ほかの株主にも申し出るやり方です。
社長の利益だけを考えるなら、売れる見込みの価格より低く先に買い取ったほうが得、という見方もあると思います。ただ、近いうちにM&Aをするのなら、それを見越して安く買い集めた、と受け取られる可能性も高い。M&Aで算定された株価で買い取るのはフェアですし、ほかの株主さんも気持ちよく応じてくれるのではないかと思います。
動画で見る株式が分散している場合の対処法|非協力的な株主との交渉【M&Aを漫画で解説】
▶ 7:19 から再生されます進める順番
方針を伝える
アドバイザーと契約する前に、M&Aを考えていること、決まった株価で買い取るつもりであることを、ほかの株主に伝えておく
買い手と基本合意
アドバイザーと進めて買い手を探し、株価の大枠を合意する
同じ株価で申し出る
合意した株価をもとに、ほかの株主に買い取り(一緒の譲渡)を申し出る
利益の積み重ねで株の価値が最初より大きく上がっている会社ほど、この進め方で話がまとまりやすくなります。株主の構成や会社の定款によって進め方は変わるので、早めにアドバイザーや専門家と相談しておくと安心です。
※契約内容や法律・税金の扱いは、弁護士や税理士などの専門家と確認しながら進めてください。
Q&A基本合意契約には、どんな拘束力がありますか?Q株が分散していると、そもそも売れないのでしょうか?
A分散していても、M&Aを進めることはできます。ほかの株主にどう同意してもらうかを、早い段階からアドバイザーと相談しておくことが大切です。
Qできれば、M&Aの前に株を集めておきたいのですが。
A事前に集められれば理想的です。ただ、価格が今の会社の価値とかけ離れていると、応じてもらえなかったり、関係がこじれたりすることがあります。価格の決め方は、専門家と相談してください。
PROCESS
どの段階からでも、
進め方を一緒に確かめられます
これから相談先を決める段階でも、すでにアドバイザーと話が進んでいる段階でも構いません。会社の状況と目的に合う進め方とアドバイザーを、一緒に整理します。ご相談から選定までの費用はいただきません。
同じテーマのQ&A
- 会社を売るには、相談から引き継ぎまでどれくらいかかりますか?
- 初回の面談では何を話すのですか?売ると決めていなくても行っていいですか?
- 「案件化」とは何ですか?なぜ最初の準備が大切なのですか?
- 会社を売ることが、社員や取引先に漏れないか不安です。情報はどう守られますか?
- 買い手の候補はどう選ばれますか?上場企業に売れば安心ですか?
- トップ面談では、何を準備して、どう振る舞えばいいですか?
- 基本合意契約には、どんな拘束力がありますか?
- 買収監査(デューデリジェンス)では、何を調べられるのですか?
- 株式譲渡と事業譲渡は何が違いますか?手取りが多いのはどちらですか?
- 売却代金を株式と役員退職金に分けると、手取りは変わりますか?
- 会社を売ったときの税金は、どう計算しますか?株の取得費が分からない場合は?
関連する記事
-
解説記事
会社を売ったときの税金は、どう計算しますか?株の取得費が分からない場合は?
2026.10.14
-
解説記事
売却代金を株式と役員退職金に分けると、手取りは変わりますか?
2026.10.14
-
解説記事
株式譲渡と事業譲渡は何が違いますか?手取りが多いのはどちらですか?
2026.10.14
-
解説記事
買収監査(デューデリジェンス)では、何を調べられるのですか?
2026.10.14
-
解説記事
トップ面談では、何を準備して、どう振る舞えばいいですか?
2026.10.14
-
解説記事
買い手の候補はどう選ばれますか?上場企業に売れば安心ですか?
2026.10.14
-
解説記事
「案件化」とは何ですか?なぜ最初の準備が大切なのですか?
2026.10.14
-
解説記事
基本合意契約には、どんな拘束力がありますか?
2026.10.13
-
解説記事
会社を売ることが、社員や取引先に漏れないか不安です。情報はどう守られますか?
2026.10.13
-
解説記事
初回の面談では何を話すのですか?売ると決めていなくても行っていいですか?
2026.10.13
-
解説記事
会社を売るには、相談から引き継ぎまでどれくらいかかりますか?
2026.10.13
-
解説記事
税制が変わる前に、急いで売ったほうがいいですか?
2026.10.14



