買収監査(デューデリジェンス)では、何を調べられるのですか?
買収監査(デューデリジェンス)は、基本合意のあとに、買い手が自分の責任と費用で会計士などを選び、会社を詳しく調べるものです。中心は財務で、会社の規模や買い手の方針によって、法務・税務・労務・ITなども調べます。帳簿や契約書、在庫や債権の中身まで確かめられますが、入口で正直に伝えていれば、大きな減額になることは多くありません。
- 監査をするのはアドバイザーではなく、買い手が選んだ専門家
- 財務だけのこともあれば、法務・労務・ITまで広げることもある
- 最初に隠したことは、ここでほぼ見つかる
買収監査は、誰が、何のためにするのか
基本合意を結ぶと、買い手は会社を詳しく調べる段階に入ります。アドバイザーがするものだと思っている方も多いのですが、買い手が自分で監査をする専門家を選び、費用も払って行います。何か大きな問題が見つかれば、買い手にとっては見送ることも大切な判断になります。
売り手さんからすると、買収監査はかなりつらいイベントになることが多いです。入口の案件化の資料集めでも皆さん悲鳴をあげられますが、買収監査はもう少ししんどいかもしれません。
ただ、入口でしっかり資料を出していれば、その資料は買い手にすでに渡っています。足りない資料だけを求められる、というケースが多いと思います。
動画で見る基本合意契約から買収監査|経営者が知るべき交渉術と心構え【M&Aジャーニー】
▶ 3:33 から再生されます調べられる範囲と、期間・費用の目安
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 調べる範囲 | 目安財務が中心。規模や方針によって法務・税務・労務・IT・事業の中身なども。小さな会社では財務だけのことも多い |
| 期間 | 目安資料を事前に調べたうえで、社長への聞き取りを1〜2日ほど |
| 費用(買い手が負担) | 目安財務だけなら50万〜100万円ほど。範囲を広げると300万〜500万円ほどかかることも |
※範囲・期間・費用は、2025年の動画での野﨑の説明にもとづく目安です。会社の規模や買い手の方針によって変わります。
裏を返すと、買い手は基本合意のあと、多くの場合は仲介会社に中間報酬を払い、さらに監査をする人にもお金を払って監査をするわけです。それぐらい本気だ、と見てもいいと思います。
何が見つかると、株価が変わるのか
買収監査では、帳簿の元になる記録から、取引の証拠となる書類まで、財務に関する資料がひと通り確かめられます。基本合意のときの認識と違うところが見つかれば、その分は株価を調整する理由になります。
| 見つかりやすいこと | 起こりうること |
|---|---|
| 回収が難しい売掛金 | 起こりうることその分が株価から差し引かれることがある |
| 価値のない在庫や不良資産 | 起こりうること株価の減額。中身によっては話がなくなることも |
| 帳簿にない負債(未払いの残業代など) | 起こりうること株価の減額や、最終契約での手当てが必要になる |
| 決算の数字の調整(粉飾) | 起こりうること信頼を失い、話がなくなることが多い |
動画で見る会社売却でやってはいけない粉飾決算の代償【M&Aを漫画で解説】
▶ 2:25 から再生されます最近増えている、労務の論点
最近、特に気にされるのが労務の問題です。たとえば労使の関係で訴訟が起きていると、買い手はその1件だけでなく、ほかにもあるのでは、と神経質になります。
株価の話だけでなく、最終契約にどう織り込むのか。その時点で訴訟が終わっていなければ、終わった場合にどういう支払いにするのか。こういったことが論点になることもあります。
動画で見る基本合意契約から買収監査|経営者が知るべき交渉術と心構え【M&Aジャーニー】
▶ 7:08 から再生されます買収監査を、落ち着いて乗り越えるために
売り手の社長は、監査で株価を下げられるのでは、と不安になるかもしれません。その可能性はありますが、私の経験では、監査のあとに株価が大きく減額されたケースは5%もなかったと思います。入口の情報整理をきちんとやっていた案件ばかりだった、というのも大きいと思います。
買収監査の前に、確かめておきたいこと
- 案件化で、不利なことも伝えたか伝えていないことがあれば、監査の前にアドバイザーへ打ち明ける
- 資料をすぐに出せる準備があるか決算書、契約書、在庫や債権の明細などを整理しておく
- 社員に知られずに進める段取りがあるか日程や場所を、アドバイザーと相談しておく
- 見つかったときの対応を相談したか株価の調整か、契約での手当てか。専門家と一緒に考える
※契約内容や法律・税金の扱いは、弁護士や税理士などの専門家と確認しながら進めてください。
Q&A会社の評価額を下げてしまうのは、どんなことですか?Q&A売る前に、売り手側で先に財務の調査(DD)をしておくと何が変わりますか?GUIDE会社売却の流れ|相談から引き継ぎまでのステップと、各段階で社長が気をつけたいことPROCESS
どの段階からでも、
進め方を一緒に確かめられます
これから相談先を決める段階でも、すでにアドバイザーと話が進んでいる段階でも構いません。会社の状況と目的に合う進め方とアドバイザーを、一緒に整理します。ご相談から選定までの費用はいただきません。
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